「おーっほっほっほっ、おーっほっほっおっ・・・ゲホゲホ。」
ここはギルド・アルケィナの本拠地、ラスレオ大聖堂・・・・・・から徒歩30分、ビスクの外れに建つ「有限会社サバカン 本社ビル」という看板が掲げられた木造小屋。
右手のを口に当て、左手を腰に添えつつ高笑いするアルケミスト姿の銀髪コグニートがその中にいた。
この人こそ、社長のポルガラン。
ちなみに有限会社サバカンの事業は主にノアダストから精製された謎肉および謎水の販売であるが、実はこの会社とんでもない目的を裏に掲げていた。
何を隠そう、それは「世界征服」・・・。
これは、シェル・レランの監視をくぐり抜けつつ謎肉謎水を販売して得た資金を元に世界征服を企む、ある悪いコグニートの物語である。
OP省略。
「ど、どうしたんですか社長?」
そう言いながら社員Aが水を差し出す。
「ついに壊れましたか? ・・・っていつもこうでしたっけ、社長?」
そう言いながら社員Bが飴を差し出す。
「うー、ケホケホ。」
咳き込みながら水を一気に飲み干し、飴を口に放り込んでから、再びいつものポーズをとるポルガラン。
「あー、あー・・・コホン。オーッホッホッホッ、聞きなさい戦闘員A・B、ついに、ついに完成したわ!」
胸を張り、上体を反らし、いつもよりワンオクターブ高い笑い声を上げる。
「完成? 一体何を作ったのですか社長?」
「またいつもの下らない作戦ですか? 今期予算はほとんど残ってないんですから、変な事に使わないでくださいよ。」
微妙に盛り上がりの欠ける社員A・B。
「ええい、お黙り! 聞きなさい、ついに世界征服の計画が発動したのよ! まずはこれを見なさい!」
そう言いながら、ポルガランは折り畳み式長机に大学ノートを広げる。
「こ、これは・・・?」
「社長、字ぃ下手ですね。」
表紙には、こう書かれていた。
【世界征服計画 パート35 7月7日の七夕にカオスでイベントやりつつ世界征服!】
ノートを読みつつ、顔色を青くする社員2人。
社員Aが、おそるおそる質問した。
「あ、あの社長、この中にある浴衣400着、下駄400足、うちわ400本って、どうするんですか・・・?」
ポルガランはあっさり答える。
「発注したわよ、MOTSに。当日までには揃えてくれるらしいわ。」
「ええええ、だって支払いは?」
「何言ってるのよ。世界征服が成功したらお金なんていくらでも手に入るわ。」
口をあんぐりと開け、二の句が継げない社員2人。
そんな事などお構いなしに、ポルガランは右手の甲を口に当て、左手を腰に添えると。
「7月7日が楽しみだわ。オーッホッホッホッ。オオッーホッホッホッ・・・ゲフ。
所変わって、ここはビスク港に居を構えるレストラン「シェル・レラン」。
自室の窓から空を見上げつつ、シレーナは呟く。
「なーんか、嫌な予感がしますわねー。」
ちなみにその頃。主人公のライチはと言うと・・・自分で作った新作料理「焼きとうもろこし」を頬張っていた。
「うーん、こんがりとした焼き加減に醤油バターの味が絡まって、おいしいー! これ、どっかで売れないかなー?」
アイキャッチ省略
CM イベント運営本部「ポルガラからの手紙」